「やわらかくて、つつみこむようないい音」を出したい!

 

 さ〜て、またまた質問が來ました!

【Q】 てるぴ〜と申します。私は中3生で、中1の時からEUPHを吹いています。中1の冬、アンサンブルコンテストに出場した頃、私の音はとてもやわらかくて、とても気に入っていました。部活の仲間や先生にも認められていました。しかし、現在は、ホルンとボーンをまぜたようなへんな音しかでません。中1の時よりもはるかに今の方が充実した練習をしているし、コンサートに行ったり、CDをきいたりして、音のイメージもあります。はやくこの音から脱出したいです。どうしたら、やわらかくて、つつみこむようないい音がでるようになるんですか?教えてください。

【A】 これはまた、勉強熱心な方ですネェ。「やわらかくて、つつみこむようないい音」か。むむむむ。ワタシも出したい!
 
 實はこの質問を受取ってから、しばらく考へ續けてゐるのです。だって、てるぴ〜さんの音を實際に聽いたことないもの(笑)。そんな中で、どう回答するか! 「音を聽いたことがないので、分かりません!」では、インターネットで質問受付ける意味ないもんな。ありきたりの回答だったら、某バンド雑誌とか、他のユーフォサイトで出盡くしてると思ふし・・・ 

 では、いつものやうに、ビシビシッと行きませう!(笑)

 「ワタシ、彼氏にするなら、優しくて、つつみこんでくれるような人がいい!」と言へば、それに「やめなよ〜」と反對する人は、まずゐません。でも、大抵の男も女も、相手を「優しく、つつみこんであげることが出來ないナァ」と惱んでゐるものです。付き合ひ始めはいいですよ。氣持ちが新鮮ですからね。もう、なんでもしちゃふ。あ、いえ、過度の愛情表現は、とうさんが許しませんが。でも、そんな人をどうやって捜すか、なんて質問は、あんまりしないですよね? 質問してから戀愛します?(笑)

 ユーフォニアムの理想の音も、「やわらかくて、つつみこむようないい音を出したい」と言へば、それに「やめなよ〜」と反對する人は、まずゐません。でも、大抵の男も女も、「優しく、つつみこむやうな音が出ないナァ」と惱んでゐるものです。吹き始めはいいですよ。氣持ちが新鮮ですからね。もう、なんでもしちゃふ。あ、いえ、過度の愛情表現は・・・あ、この場合、いいのか(笑)。そんな音をどうやって出すか、なんて質問は、山ほどあるやうです。でも、そんな音が出せるやうになってからでないと、ユーフォを演奏するべきではないのでせうか? それとも、そのやうな音が出なければ、ユーフォを演奏するべきではないのでせうか? どうです?

 さてもう一題。「ホルンとボーンをまぜたようなへんな音」ですか。

 「木村拓哉と反町隆史をまぜたやうなへんな男」って聞いたら、「ええ〜! なんでそれが變なの!?」ってことになりませんか? これが「木村拓哉みたいに鼻がでかくて、反町隆史みたいな笑ひ皺の出來る男」って聞いたら、「うう・・・それはちょっときついかな」と思ひますよね(ここ、笑ふところ)。自分の音の「ホルン」みたいなところは、どんな所ですか? そして、「ボーン」みたいなところは、どんなところですか? それをよく聽き分けることですね。さうすると、音の特性、吹き方の癖といふものが、より一層分かってきます。「ホルンとボーンをまぜたやうな音」でも、いいのです。變ぢゃなければ。變だとしたら、それぞれの變なところに似てしまってゐるなんてことも、もしかしたら、あるのではないでせうか。

 今も暑い中、一生懸命練習に勵んでゐることと思ひます。その一生懸命なあまり、「はやくこの音から脱出したい」と焦る氣持ち、それが貴方自身にストップを掛けてしまってゐることもあるかも知れません。ここは一つ逆療法。ホルンやトロンボーンのいい演奏を聽きませう。ホルンでしたら、デニス・ブレインやヘルマン・バウマンとかの素晴らしいCDが一杯出てゐます。トロンボーンだったら、クリスティアン・リンドベルイとかジョセフ・アレッシとかの素晴らしいCDが一杯出てゐます。さういふのを聽いて感動して、そして自分の音のどこがホルンやトロンボーンに似てゐるのかを聽き分けて、「ホルンとボーンをまぜたやうな、いい音」を目指してみませう! さう、「木村拓哉と反町隆史をまぜたやうないい男」とか、「広末涼子と松嶋菜々子をまぜたやうないい女」を目指すのでし!