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ボア:14.72mm(第4ピストン16.52mm)
ベル:311mm ピストン:4本ピストン(第4ピストンサイド式) ベル:イエローブラス コンペンセイティングヴァルヴ メインテューニングスライド・トリガー装備 2052-1 ラッカー仕上げ 2502-2 本體銀メッキ仕上げ |
【外觀、仕樣】
1999年より發賣。BESSON 20年ぶりくらゐの(モデルチェンジではない)新機種だが、管の回し方などは、從來の傳統的モデルを踏襲してゐる。ベルは311mmといふデカさ。上から覗き込むと、吸ひ込まれさうになる。これまでのトップモデルだった、Soverign BE967 よりも大きいベルを持つ。ボアの變化はない。
【音色、音程】
音色は、從來の BESSON の明るく艶のある獨特なものから、WILLSON や YAMAHA のやうな、太い音へと變貌した。しかし、BESSON の艶が全く失はれてしまった譯ではないので、「變貌」と言ふより、「融合」と言ふ方が正確かも知れない。ワタシはかつての音色が好きなので、「改善」とは思ってゐない(笑)。音程に關しては、トリガーをベタ付けしてゐるとほり、從來のモデルからの大きな改善は見られないやうに思ふ。しかし、若干コントロールがしやすくなった氣がする。フローティングマウスパイプの採用が、大きな轉機だったのか? それにしても、ベルが巨大なので、鳴らすのが大變といふイメージだったが、確かに實際に吹いてゐると、ちゃんと鳴ってゐるのかが不安になる。効率のいい鳴らし方を掴む必要がありさうだ。その點、銀メッキのモデルの方が、抵抗感を利用しやすいかも知れない。
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通常のマウスパイプは、ベルにベッタリロウ付けされてゐるが、これを支柱で支へることにより、より抵抗の少ない吹奏感が得られるやうになった。
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【こぼれ話】
新機種の登場は、スイスの WILLSON や、ヤマハの新モデル人氣から、パイの奪ひ合ひが激化したとも取れる。いち早く「フローティング・マウスパイプ」を採用するなど、意欲的に取り組む姿勢は、今日に言ふユーフォニアムを開發した老舗メーカーであるからこそのものであらうか。ここだけの話、特に熱心なのは、我が國の技術擔當さんだとも・・・ トップ・ユーフォニアム奏者のS.ミード氏も、日本で調整することを樂しみに、來日してゐるといふ噂を聞いたことがある(笑)。
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平成15年8月30日
無斷轉載ヲ禁ズ
「ユーフォニアム講座」
http://www.euphstudy.com
Hidekazu Okayama