ユーフォニアムを洗はう! 〜 組み立て&磨き編

 

 さて、ティーブレイクも済んだことだし(ぷは〜)、氣を入れ替へて、再び心得から!(なんのことだか分からない人、アナタは「徒然草」のメニューからここへ來ましたね?(笑))

・樂器は澤山の部品から出來てゐる。大掃除の時はそれを全部外すことになる。どれがどの部分のものだったのかが分からなくなってしまはないやう、整頓しながら掃除しよう。

・分解した樂器は、皆さんが服を脱いで裸になるのと同じく、デリケートだ。水に濡れると滑りやすくもなる。ぶつけたり、落としたり、倒したり、こすったり、踏んづけたりしないやう、細心の注意を持って挑まう。

 

6.洗浄&濯ぎのチェック
・グリス落とし

 洗剤やブラシでは落ち切らなかったグリスを落とす。リコーダー用のロッドにガーゼを巻いて、ライターのオイルを染み込ませたものを使ふと、良く落ちる。

・オイル落とし

 同じ要領で、ヴァルヴ・ケーシング内のオイルを落とす。

 また、ピストンが中で回らないやうにするためのガイドの溝に、ゴミが付着してゐることが多いので、もしそれがあったら丁寧に取り去る。取れたゴミがケーシングの中に殘らないやうに、細心の注意を拂ふもし殘ってたら、ピストンが全く動かなくなってしまふこともある!

・細かい部分の磨き

 抜き差し管やピストンを組み立てる前に、細かい部分を磨いてしまはう。組み立てると、手の届かないところも、これでバッチリ。

 なほ、ラッカーの樂器には「ラッカーポリッシュ」、銀メッキの樂器には「シルバーポリッシュ」、ノーラッカーの樂器には「メタルポリッシュ」が、ヤマハから發賣されてゐるので、必ず自分の樂器にあったものを使ふやうにしよう。違ふものを使ふと、表面を痛める恐れがある。

 今回は、「BUZZ シルバークリーナー」といふのを使った。

・參考までに、クリーナー各種

左から

「ピカール」− ヤマハのメタルポリッシュと同じく、金属の表面をごく薄く削って磨く、液状ヤスリ。研磨剤といふやつです。ラッカーが剥がれた樂器には、これがお勸め。威力はこんな具合

「ヤマハ ラッカーポリッシュ」− ラッカー仕上げの樂器の表面の汚れを取り、ツヤを出す。

「ヤマハ シルバーポリッシュ」− メタルポリッシュほど濃くない液状ヤスリ。銀メッキ仕上げの樂器に使ふ。

「BUZZ シルバークリーナー」− 研磨剤を含まない、銀磨き。削れる心配もなく、表面の光澤も長持ちする。

・ピストンの水垢、オイル落とし

 必ずやらなくてはならないといふ譯ではないが、ピストンにオイルが殘ってゐたり、水垢ついてゐたりしたら、ライターのオイルを染み込ませたガーゼなどで拭き落とす。この時、柔らかくて、毛羽立たない布を使ふこと。

 

7.組み立て&磨き
・組み立て&磨き

 抜き差し管に、「スライドグリス」をよく伸ばして塗って、本體に装着。マウスパイプや抜き差し管の中に、ちょっとだけヴァルヴオイルを入れておくと、サビの防止になる。

 ピストンの部品を組み立てて、ヴァルヴオイルをたっぷり付けて、本體に装着。この際、ピストンを入れる位置を間違へないやうにする。もし、ピストンが途中で引っかかって、カッチリ固まって動かなくなってしまったときは、自分では手を出さず、楽器屋さんに相談する。曲がってしまったら、さらに一大事になってしまふのだ。

 スプリングをヴァルヴケーシングの下から入れ、ボトムキャップを閉める。この時、キャップのねじ部分にちょっとだけヴァルヴオイルを注すと、後で固まって外れなくなるのを防ぐことが出来る。ピストンを入れる前に装着しても良いが、スプリングが所定の位置にはまらないこともあるので、要注意。

 洗った後は、水垢が表面に付着してゐるので、あまり綺麗には見えない。最後に上に擧げたやうな、それぞれの樂器に合ったポリッシュを使って全體を磨く。

 さぁどうだ、これでピカピカだらう!

 

 




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Hidekazu Okayama